スクエアピアノ・フォルテピアノ

スクエアピアノスクエアピアノやフォルテピアノとは、クリストフォリがピアノを誕生させた後、現代のピアノになるまでの発展途上の時代のピアノを指して呼ばれます。

特に長方形のものをスクエアピアノと呼んでいます。グランド型のものももちろんありましたが、大型のものが多く、一般的ではなかったようです。

1710年代から1790年代がこれらのピアノの時代でした。しかし、1790年代ごろからピアノは急速な発展をはじめ、現代のピアノ(モダンピアノ)へと変わっていきます。

バッハ(1685年~1750年)は地理的な問題でほとんどピアノに触れることがなかったので、フォルテピアノ・スクエアピアノを使用した作曲家としてはハイドン(1732年~1809年)、モーツァルト(1756年~1791年)などが挙げられます。

この時代はイギリスがピアノ製造の先進国なので、イギリスへと渡ったハイドンは特に気に入っていたようです。

モーツァルトは父親への手紙の中でピアノについて文句ばかり言っていますが、これもピアノが発展途上であったことや、同時代の音楽家がスクエアピアノ・フォルテピアノを利用して作曲や演奏活動をしていた何よりの証拠です。

◇スクエアピアノ・フォルテピアノの問題点

スクエアピアノやフォルテピアノは未完成の楽器でした。例えば、音量が出せず、構造上連打や音を伸ばすことが難しいということがあります。モーツァルトの楽曲にトリルが多いのもこのピアノに合わせた結果とも考えられます。

また、ダンパーや打弦点は弾くたびに調整を必要とし、外枠は木製で弦の張力には勝てず、歪みが生じます。そのため、弾いた後は弦を緩めたいところですが、ピンも現代とは違い、巻いてあるだけだったため緩めるということは張弦のしなおしが必要とされます。
宮廷などに置かれ、職人が常にいるならともかく、個人で所有している場合は調律も自分で行う必要があったはずです。ベストな状態でピアノを弾けたかどうかと言われると相当怪しかったのではないでしょうか?
ベストな状態を維持できない楽器にモーツァルトが文句を言いたい気持ちもわかりますね。

しかし、同時にこの楽器で彼らが作曲、演奏活動をしたことも事実ですので、20世紀以降、特にこの数十年活発になっている古楽器による演奏は作曲家の意図を理解するうえでも重要だと思います。

◇スクエアピアノの音

スクエアピアノを実際に弾くこともできます。

mineg-broadwood1833みね楽器』では復刻したスクエアピアノをレンタルしています。教育関係やコンサートで使うための楽器が実際に弾ける珍しい機会ですのでモーツァルトの時代の音楽に興味がある人はぜひどうぞ。

下の動画は試弾の様子です。

 

 

こちらは18世紀のスクエアピアノの復刻版の試弾映像です。

こちらは1830年製のジョン・ブロードウッドの試弾映像です。

 

◆フォルテピアノ・スクエアピアノの録音

17世紀から18世紀までの鍵盤楽器の歴史を音で確認できるCDです。
演奏楽器はパリ音楽院付属の楽器博物館や浜松楽器博物館に所蔵されている楽器で演奏されたもので、実際音が鳴るのを聞けるのはなかなか貴重だと思います。
知識を得ても想像だけでは面白くない!バッハの時代にどんな音が奏でられたのかを知るチャンスです。
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